賃貸管理コラム
賃貸管理会社に客付けを依頼するメリットは多いものの、客付けの弱い管理会社に委託すると、収益が上がりません。
管理会社に客付けを依頼するメリットや、客付けに強い管理会社の選び方などを解説します。
仲介管理会社は入居者を探して部屋をマッチングさせる仲介会社の役割と、家賃管理や物件のメンテナンスなど入居者の管理を行う管理会社の役割の両方を併せもっています。
以下の表では不動産会社の種類を解説しています。
役割 | 客付けの有無 | 手数料 | |
仲介管理会社 | 入居者探しから管理までの業務を行う |
⚪︎ | ・仲介手数料 ・管理委託手数料は有償と無償がある |
仲介会社 | 部屋探しをしている人へ部屋のマッチングを行う | ⚪︎ | 仲介手数料 |
管理会社 | 入居者の家賃管理や物件のメンテナンスなど入居後の管理を行う |
× | 管理委託手数料 |
客付けは情報の流通が鍵を握っています。賃貸管理会社に客付けを依頼すると大手不動産サイトなどへ物件情報を流通させられるほか、自社に仲介部門がある場合は積極的に物件情報を紹介してもらえるので、客付けしやすいのがメリットです。
管理会社で客付けを行う場合は、物件情報の掲載から入居希望者との対応、契約まですべてを委託できます。自主管理で行う場合は、入居者募集の広告からスタートし、入居希望者との面談、物件内見、入居審査・契約、入居対応をオーナー自身が行います。
管理会社はレインズとよばれる全国の物件情報を共有するネットワークシステムに登録することで、多くの不動産会社に物件情報を認知してもらえます。
そのため、より客付けしやすくなり、自主管理よりも早期に入居者が決まる可能性が高いといえるでしょう。また、客付けだけでなく入居時の手続きや入居後のメンテナンスまでトータルでサポートしてもらえるので、時間や手間が省けます。
加えて、オーナーは管理会社から不動産経営について身近でアドバイスをもらえるので、ノウハウを身につけやすく、気軽に相談できるのも管理会社に客付けを依頼するメリットの1つです。
ただし、管理会社の良し悪しを見分ける必要があり、業務を委託するにあたっては費用がかかる点に留意しましょう。自主管理による客付けは入居者をオーナー自身が選べる点や費用をおさえられるといったメリットがある一方、客付けしにくい点や内見・入居手続きなど手間がかかるデメリットも持ち合わせています。
これらのメリット・デメリットをふまえて、客付けを管理会社に委託するか、自身で進めていくかのどちらかを選択しましょう。
入居者募集から管理まですべてを仲介管理会社に任せている、もしくは入居者募集または管理を任せているオーナーが約8割となっており、客付けについては仲介会社、仲介管理会社に委託しているオーナーが大半であることがわかります。
ただし管理会社にすべてを委託するケースと比べ、客付けは弱いでしょう。不動産会社が客付けする際の優先順位として、自社で所有・管理している物件を優先します。不動産会社の利益につながりやすいためです。
また、管理物件の入居率が高まることで、オーナーの信頼関係を深めることができます。不動産会社にとって利益につながりにくい自主管理物件は、優先度が低くなりやすいでしょう。
管理会社に不動産経営の全部を委託するのか、または一部を委託するのかは、コストや管理に要する時間等から検討することをおすすめします。
入居者が決まらない間も管理会社に委託費用を支払い続けなければなりませんし、空室期間が続くと、オーナー自身が客付けを行うことも必要になり、負担が増加するきっかけにもなります。
管理会社に客付けを依頼する際は、客付けの強い管理会社かどうかあらかじめ調べておくとよいでしょう。そして、空室期間が続く場合は、管理会社や担当者を変更してもらったり、客付けに関して現状から改善してほしいと伝えたりすることも重要です。
反対に、連絡してもなかなかつながらなかったり、返信が遅かったりすると不信感が募り、足が遠のいてしまうでしょう。まずは、物件情報の案内を受けた際に質問してみて、様子を伺うのもよいでしょう。
オーナーが努力する方法として、不動産経営に関するセミナーの参加や専門書の購読、不動産会社とのつながりをもつことが必要です。管理会社へ客付けを依頼する際には、客付けの方法や契約の手順、入居後の管理方法などを身近で学べるよい機会となるでしょう。
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