賃貸管理コラム

サブリース会社の家賃滞納は要注意。契約解除が必要なサインに気付くには

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サブリース会社の家賃滞納が発生すると、収入が途絶える、オーナー自身の住宅ローン支払いが滞るなど、トラブルの原因となります。

サブリース会社が家賃を振り込まない理由や、そのまま放置するリスクについて解説し、滞納発生時の具体的な対処法を紹介します。

サブリース会社から家賃が振り込まれない理由と滞納を放置するリスク


サブリース契約を結んでいるオーナーにとって、家賃が予定どおり振り込まれない事態は大きな問題です。
サブリース会社が滞納を始める理由や、そのまま放置した場合のリスクについて解説します。

サブリース会社が家賃を滞納する主な理由

サブリース会社が家賃を滞納する主な理由は、以下の3つです。

  1. 銀行振込のシステム上のエラー
  2. サブリース会社の経営悪化
  3. 会社による意図的な支払い遅延

それぞれ解説します。

銀行振込のシステム上のエラー

管理会社が入居者から受け取った家賃をオーナーに送金する場合、通常は銀行振込を利用します。

家賃を受け取り送金データを作成後、データを銀行へ送る際にシステムエラーが発生し振り込まれないケースがあるのです。

サブリース会社の経営悪化


サブリース会社はオーナーに一定の家賃を保証する代わりに、入居者からの家賃収入で利益を得るビジネスモデルです。

しかし、以下のような理由で経営が悪化すると、オーナーへの家賃支払いが滞る可能性があります。

  • 入居率の低下
  • 過剰な保証賃料の設定

空室対策など経験や実績がないと、会社の経営が悪化する原因となります。

会社による意図的な支払い遅延


サブリース会社がオーナーへの家賃支払いを後回しにし、自社の資金繰りに回そうとするケースがあります。

倒産直前まで支払いを引き延ばし、突然破綻するケースもあり、家賃の回収はほぼ不可能となってしまいます。

契約した期日で入金がない場合は、すぐに連絡して回収するための行動が重要です。

家賃の滞納を放置するリスク

サブリース会社からの家賃が滞納しても放置されるケースもあります。

家賃の滞納を放置すると、収入が途絶えるリスクがあります。サブリース契約の最大のメリットは「安定した家賃収入」ですが、滞納が続けばそのメリットは失われます。

オーナー自身の住宅ローン支払いや管理費負担が発生するリスクがあります。

サブリース会社に家賃を滞納された際の対処法


では、サブリース会社に家賃を滞納された際の対処法は、以下のとおりです。

  • 相手に言われるがままに対応しない
  • 管理委託契約書やサブリース契約書の解除事由を確認する
  • 3カ月以上の未払いなら契約の解除通知を送る

それぞれ解説します。

相手に言われるがままに対応しない

サブリース会社から「支払いを待ってほしい」「契約内容を変更すれば支払える」といった提案を受けた際、安易に応じるのは危険です。

契約内容の変更がオーナーに不利な条件となるケースも多いため、慎重に対応しましょう。

管理委託契約書やサブリース契約書の解除事由を確認する

契約解除の要件は契約書に明記されています。

解除を検討する際は、「家賃の滞納が一定期間を超えた場合の解除条件」などを確認しましょう。

宅建協会や弁護士など専門家に相談するのも選択肢のひとつです。

3カ月以上の未払いなら、契約の解除通知を送る

一般的に家賃の滞納が3カ月以上続くと、契約解除の正当な理由となる場合が多いです。

内容証明郵便を用いて解除通知を送り、未払い家賃の請求や契約解除の手続きを進めることを検討しましょう。

弁護士や不動産の専門家に相談しながら進めることで、適切な対応が可能になります。

過去の滞納事例で学ぶサブリースを成功させるコツ


ここでは、過去の滞納事例からサブリースを成功させるコツについて解説します。

BLAZE株式会社の未払い事件はなぜ起きた?


サブリース会社の未払いで有名なBLAZE株式会社の事件の原因を解説します。

BLAZE株式会社は株式会社ReVieのグループ会社で、ReVie社が投資マンションを販売し、BLAZE社がサブリースで管理していました。

家賃より高額の保証賃料を毎月オーナーに支払っていたBLAZE社は赤字になり、オーナーへの未払いが発生した後で連絡が取れなくなった事件です。赤字分は売買利益で賄っていたのです。

BLAZE株式会社の家賃未払い事件では、サブリース会社側の問題だけでなく、オーナー側の対応の甘さも影響したと考えられます。

具体的には、以下の内容です。

  • 契約内容の確認不足
  • 会社の経営状態に関するリサーチ不足
  • 依存しすぎた管理体制

オーナーが契約時に慎重に内容を確認し、定期的に経営状況をチェックしていれば、未払いが発生する前に対策を打てた可能性があります。

オーナーが自己責任でビジネスを行う必要がある


サブリース契約は、手間をかけずに安定収入を得られるメリットがありますが、完全に丸投げしてしまうのはリスクが大きいです。

オーナー自身が管理運営の知識を持ち、リスクを想定した行動を取ることが重要です。

契約書の内容など細かくチェックする


契約書には、家賃保証の内容や契約解除の条件が記載されています。

サブリース会社がオーナーにとって不利な条項を含めている場合もあるため、契約前に弁護士や専門家に相談しながら内容を確認しましょう。

管理会社の経営状態に気を配る


サブリース会社が経営難に陥ると、家賃未払いが発生するリスクが高まります。

契約先のサブリース会社の財務状況や業界での評判を定期的にチェックし、経営が不安定な会社とは契約を見直しましょう。

管理会社の変更やサブリース以外の管理方法も検討する


サブリース会社との契約を解除した場合、以下の選択肢があります。

  • 別のサブリース会社に乗り換える
  • 自主管理に切り替える
  • 管理委託契約に変更する

契約していたサブリース会社よりも信頼できる会社を探したり、オーナー自ら管理したりと
契約解除後の方法も考えておきましょう。

賃貸物件の管理のみを管理会社に委託する管理委託契約という選択肢もあります。

サブリース会社の見極め方・比較項目


ではサブリース会社を契約するときに、確認しておく項目は以下のとおりです。

  • 信頼性がある会社か
  • コストパフォーマンスが高く、期待値を超えてくれるか
  • 管理戸数が多いだけでなく、信頼されて増やしている会社か

それぞれ解説します。

信頼性がある会社か


まず信頼できるかを判断するために、下記の内容を確認しましょう。

  • 適切な許可を受けている会社かどうかを、宅地建物取引業者の免許証番号で確認する
  • 「免許取消処分」「業務停止処分」を受けていないか、公開情報を確認する
  • 保証賃料が適正かどうか確認する

コストパフォーマンスが高く、期待値を超えてくれるか


管理会社選びで重要になるポイントは、期待値を超えてくれるかです。単なる価格の比較ではなく、手数料とサービスの質のコストパフォーマンスの見極めが必要です。

一般的な管理委託の手数料は家賃の5%〜7%が相場です。ただし、金額に含まれるサービス内容は会社により大きく違います。

例えば、定期的な物件巡回や24時間対応など、付加価値の高いサービスが含まれている場合もあります。

サブリースの場合は重要な判断材料として保証賃料の水準がありますが、近隣の相場より極端に高い保証賃料の会社には気をつけましょう。

管理戸数が多いだけでなく、信頼されて増やしている会社か


管理戸数が多い会社でも、無理な営業や強引な契約で増やしている場合があります。

実際の評判をチェックし、複数社に見積もりを取って比較することが重要です。


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