賃貸管理コラム

賃貸物件は自主管理と委託管理のどちらを選ぶべき?メリット・デメリットを解説

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賃貸物件の管理方法は、オーナー自らが管理する自主管理と、入居者募集や契約などの管理業務を委託する委託管理の2種類に分けられます。

国土交通省のアンケート調査によると、自主管理を選ぶオーナーの割合は約2割にとどまり、約8割の人が管理業務の一部または全部を委託しています(※)。

それぞれの管理方法にはメリット・デメリットがあるため、自分に合ったものを選びましょう。

自主管理と委託管理それぞれのメリット・デメリットを解説します。

※参考:国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査結果の公表」

賃貸物件を自主管理するメリット・デメリット

国土交通省のアンケート調査によると、所有する賃貸物件の入居者募集や契約、入居中の管理を不動産会社に任せず、すべて自ら管理していると回答した人の割合は18.5%です(※)。

ここでは、賃貸物件を自主管理するメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。

※参考:国土交通省.「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」

賃貸物件を自主管理するメリット

賃貸物件を自主管理するメリットを解説します。

  • 管理委託料を支払う必要がない
  • 賃貸経営に必要な知識やノウハウが身につく

管理委託料を支払う必要がない

自主管理のメリットは、不動産管理会社に手数料(管理委託料)を支払う必要がないという点です。管理委託費は委託する会社によって異なりますが、目安は家賃の約5%といわれています。

また、サブリース契約を結ぶ場合も家賃の10~20%に相当する手数料が必要です。

賃貸物件を自主管理すれば、こうしたコストを節約できるでしょう。

賃貸経営に必要な知識やノウハウが身につく

もうひとつのメリットは、賃貸物件の自主管理を通じて、賃貸経営に必要な知識やノウハウが身につく点です。将来的に2棟目や3棟目の購入を考えている人の場合は、日々の管理業務からさまざまな経験を得られるでしょう。

ただし国土交通省の「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」によると、賃貸経営に関する知識の習得方法として、最も多いのは「インターネット(SNSなど)による情報収集(30.2%)」となっています。

そのほか、「セミナーや不動産投資スクールへの参加(25.1%)」や、「友人・知人からの情報提供(23.9%)」を通じてノウハウを学ぶ人もいます(※)。

賃貸物件を自主管理するデメリット


一方、賃貸物件の自主管理にはデメリットもあります。

  • 煩雑な管理業務に追われ、オーナー側の負担が増加する
  • 入居者との間にトラブルが生じる可能性がある

煩雑な管理業務に追われ、オーナー側の負担が増加する

自主管理のデメリットは、煩雑な管理業務に追われ、オーナー側の負担が増加するという点です。たとえば、賃貸物件における管理業務には、以下のようなものがあります。

  • 賃料などの集金
  • 家賃の督促
  • 賃貸借契約の更新
  • 敷金精算・原状回復
  • 入居者からの苦情対応
  • 清掃
  • 建物・設備の維持管理・点検・修繕など
  • 入居時の契約支援(契約時の管理内容の説明など)
  • 修繕積立金の管理
  • 空室管理

特に、契約や原状回復に関する業務は、専門的な知識が求められるため、1人で行うのは大変です。国土交通省のアンケート調査によると、「入居時の契約支援」「賃貸借契約の更新」はそれぞれ約8割の人が、「敷金精算・原状回復」は76.8%の人が委託管理を選んでいます。

入居者との間にトラブルが生じる可能性がある


もうひとつのデメリットは、入居者との間にトラブルが生じる可能性があるという点です。

特に、賃貸経営においてトラブルになりやすいのが、契約更新・終了時のタイミングです。国土交通省のアンケート調査でも、52.2%の人が「契約更新・終了時のトラブルをなくしたいから」という理由で委託管理を選んでいます。

委託管理であれば、入居者とのトラブル発生時に、第三者として間に入って調整してもらえます。しかし、自主管理の場合は基本的にオーナーが1人でトラブルに対処しなければなりません。

賃貸物件の委託管理を選ぶメリット・デメリット

国土交通省のアンケート調査によると、賃貸物件の管理業務の一部または全部を委託している人の割合は全体の8割程度です。その中でも、入居者募集から契約、それ以降の管理もすべて不動産会社に委託している人の割合は28.2%です。

主な委託管理の方法としては、不動産管理会社と管理契約を結ぶ受託管理のほか、所有する賃貸物件を一括で借り上げてもらうサブリース契約などが挙げられます。

ここでは、賃貸物件の委託管理を選ぶメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。

賃貸物件の委託管理を選ぶ2つのメリット

賃貸物件の委託管理を選ぶメリットは2つあります。

  • ノウハウが不足している分野を賃貸経営の専門家に任せられる
  • 高齢者や家から遠い人でも賃貸物件を管理できる

ノウハウが不足している分野を賃貸経営の専門家に任せられる

委託管理のメリットは、知識やノウハウが不足している分野の業務を、賃貸経営の専門家に任せられる点です。国土交通省のアンケート調査によると、管理業務を委託している人の50.2%は、「自分自身の賃貸契約および管理に関する専門知識が不足していると感じるから」を理由に挙げています。

管理業務のすべてを委託する必要はなく、自分で行いたい業務は自主管理するとよいでしょう。実際に修繕積立金の管理や賃料などの集金など、お金の管理は、オーナー自ら実施する割合が比較的高くなっています。

高齢者や家から遠い人でも賃貸物件を管理できる

2つ目のメリットは、高齢者や家から遠い人でも、心配なく賃貸物件を管理できるという点です。

賃貸経営における自主管理は、体力的な余裕があり、目の届く範囲に物件がある人に向いています。

国土交通省のアンケート調査でも、23.4%の人が「物件が家から遠くて、管理が難しいと感じるから」、7.5%の人が「自身の高齢化により、管理が難しいと感じるから」という理由で管理業務を委託しています。

賃貸物件の委託管理を選ぶデメリット

一方、賃貸物件の委託管理にはデメリットもあります。

  • 不動産管理会社との間にトラブルが生じる可能性がある
  • 一定の費用がかかる

不動産管理会社との間にトラブルが生じる可能性がある

賃貸物件の委託管理を選ぶデメリットは、不動産管理会社との間にトラブルが生じる可能性があるという点です。国土交通省のアンケート調査から判別できるトラブル内容と割合は次の通りです。

トラブルの経験内容 割合
特にトラブルはない 44.5%
滞納家賃が発生し、家賃が適切に入金されない 24.6%
入居者からの修繕などの要望対応に手間やお金がかかる 20.9%
賃料・敷金などが、管理業者から入金されるまでに時間を要する 12.8%
入居者間・近隣住民とのトラブルへの対応が難しい、手間がかかる 11.8%
入居者からの修繕などの要望対応にどう対応したらよいかわからない 10.0%

特に滞納家賃が発生し、家賃が適切に入金されないトラブルを経験する人が多く、2.5割近くになっています。一方で、過去にトラブルを経験したことがない人も44.5%います。

委託管理をめぐるトラブルを回避するには、賃貸経営のパートナーとなる不動産管理会社選びが重要です。管理会社のサービス内容や担当者の人柄などを考慮し、信頼できる相手に管理業務を委託しましょう。

一定の費用がかかる

賃貸物件の委託管理を選ぶと、一定の費用がかかります。空室があっても管理を委託している間は常に負担が生じる点に注意が必要です。

かかる費用は委託する会社によって異なるため、提供されるサービスと費用を照らし合わせて検討しましょう。


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