賃貸管理コラム
カテゴリー: アパート・マンション経営
不動産投資を考えたとき、高利回り物件に目がいってしまうのは当然です。それと同時に、「なぜこんなに”おいしい物件”が売りに出されているのだろう?」と疑う方もいるでしょう。
利回りが高い物件のリスクや、低リスクで不動産投資を成功させるコツを紹介します。
まずは、不動産投資における利回りの考え方を正しく理解しましょう。
利回りには、表面利回りと実質利回りがあり、それぞれ以下のような計算式で求められます。
実質利回りのほうが、表面利回りよりも正確な利回りを表しています。
家賃収入から差し引かれる諸費用には、管理費や修繕積立金、固定資産税などが含まれます。また、購入時の諸費用は、仲介手数料や銀行に支払う手数料などです。
計算式をもとに、家賃10万円が見込まれる2,000万円の物件を購入した際の利回りを計算してみましょう。1年間でかかった諸費用は30万円、物件購入時の諸費用は200万円とします。
表面利回り=120万円 ÷ 2,000万円 × 100=6%
実質利回り=(120万円-30万円) ÷ (2,000万円+200万円) × 100=4%
表面利回りと実質利回りでは、2%もの開きがあることがわかります。不動産投資は基本的に長期投資なので、この違いがゆくゆく大きな差を生むことは明白でしょう。
広告や物件情報に記載されている利回りは、基本的に表面利回りのことです。
表面利回りは、家賃収入から実際にかかる費用、物件購入の際にかかる諸費用を加味しない、いわば「こうだったらいいな」という希望のような利回りです。そのため、おおざっぱに「あり」「なし」の判断基準のように捉えましょう。
もし気になる物件があったら、実質利回りを意識することが重要です。
いわゆる「おいしい物件」に見える物件が、実はそうでもないとわかることもあります。「おいしい話には裏がある」という考えを念頭に置いておきましょう。
不動産投資は、物件選びやその運用方法を間違えなければ、手堅い投資であることは間違いありません。あらゆる情報の中から本物をつかむ洞察力を磨きましょう。
利回りが高い物件には、具体的にどのようなリスクが潜んでいるのでしょうか。
物件情報に記載されている利回りは基本的に表面利回りですが、想定利回りを記載しているケースも少なくはありません。
想定利回りは、満室時の家賃収入を前提として計算される利回りです。あくまでも理想の利回りですので、高利回り物件に見せるために高い家賃を設定している可能性もあります。
適正家賃ではないため、物件購入後に家賃を下げないと入居者が見つからないということが起こるのです。
利回りが高い物件をよく見ていると、築古の物件が数多く含まれていることに気づくでしょう。
築古物件は物件価格の下落が緩やかになっていて、低リスクで安定的な家賃収入を得られるように見えるかもしれません。物件の売却による出口戦略を見据えたときにも、購入価格から大幅に下がることなく売れそうです。
しかし、築古物件の一番のリスクは、居室や設備の老朽化です。洗面所やトイレ、風呂、靴箱、フローリング、キッチンなどが老朽化していると、設備の交換に費用がかかります。
また、共用部や水道管、エレベーターなども年数が経過すると老朽化するため、想定以上に修繕積立金が高くなることもあります。
物件は、周辺の同じ価格帯の新しいマンションやアパートと比較されます。そのため、入居者の退去があると、新しい入居者を確保するために、設備の交換を含めた居室内のメンテナンスが必須です。
原状回復に時間がかかり、空室期間が長引いてしまう原因になってしまいます。設備投資の費用や空室期間によって、実質利回りが想定外に低かったということは、珍しい話ではありません。
「実質利回りもよい、入居者も今現在ついている」という、一見何の問題もない物件であっても注意が必要です。
実は、よく調べないとわからないような以下のようなリスクが潜んでいる可能性は大いにあるのです。
利回りが高い物件のすべてが釣り物件かというと、そうではありません。
たとえば、オーナーが何らかの事情で現金が必要となり、売りを急いでいるときなどは、いわゆるおいしい物件が出回ることがあります。
ですが、このような物件はかなりまれであり、見極めるのは非常に困難です。一般的には、売るには売るなりの事情があると考えたほうがよいでしょう。許容できる範囲の事情なのか否かということを個人で判断するのは、多くのプロが目を光らせている不動産業界では相当に難しいことなのです。
不動産投資は、株などの投資商品に比べると初期投資が大きく、気軽に始められるものではありません。
不動産投資を成功させる秘訣は、高い利回りを目指すのではなく、低リスクで安定的、長期的な収入を確保することです。
駅近などの好立地の築浅物件は、購入価格が高い分利回りが低くなります。しかし、入居者が確保しやすく、銀行からの評価も得やすいため、リスクが低いといえます。
特に立地のメリットは大きく、築年数が経過して設備が古くなってきても、入居需要がある程度確保できるでしょう。
また、市場価格が下がりにくいため、諸事情で売却を選択したときも、売却益を望むことも不可能ではないのです。
不動産投資は、物件選びを間違えなければ安定したキャッシュフローを得やすい投資です。しかし、ほかの投資と大きく違う点は「大家さんになる」ということです。
入居者からの問い合わせや入退去時の対応、賃貸募集、原状回復など、知識や経験がないと対応が難しい問題が次々と出てきます。
しかし、時間があるならよいですが、特に本業がある場合などは一から調べて対応するのが困難でしょう。
せっかく購入した収益物件の経営を安定的に維持するには、ある程度不動産会社などの専門家に任せる部分も必要です。
サブリースという仕組みを活用して賃貸経営をすれば、不動産投資初心者であっても安定的な収益を得ることができます。
サブリースとは、所有する収益物件をまるごとサブリース会社に貸し出し、サブリース会社が入居者に転貸する仕組みです。サブリース会社が入居者募集や管理などのすべての業務を行います。
オーナーは入居者の有無に関わらずサブリース会社から収益を得ることができ、安定的な収入を得られることが何よりのメリットです。
サブリース会社に依頼すると、その分の手数料が発生するため高い利回りはあまり期待できません。しかし、空室リスクや原状回復、賃貸希望者の対応など、何も心配なく運用できるメリットは、思っている以上に大きいことです。
ただし、サブリース会社の手数料が異なり、利回りに差が出ます。GLCのサブリースでは、最高で91%の賃料を保証しているため、コストを抑えられます。それぞれのオーナーに合った提案が可能ですので、まずは気軽に相談してください。
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