賃貸管理コラム

戸建て賃貸経営はデメリットばかり?失敗を回避するコツは?

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戸建て賃貸は、アパートやマンションよりも規模が小さく、賃貸経営の中で始めやすい部類に入ります。

しかし、その分収益性が低かったり、空室リスクが高かったりするデメリットもあります。メリットとデメリットの両方を理解して、自分に合った経営方法を模索しましょう。

戸建て賃貸経営のメリット

まずは、戸建て賃貸経営のメリットを紹介します。

立地や土地の広さに影響されにくい

戸建て住宅は、閑静な住宅地によく見られ、駅周辺など便利な場所からは少し離れているのが一般的です。そのため、賃貸用の戸建て住宅も同様に、立地を最優先とされていない傾向があります。

もちろん、利便性のよい立地ほど人気になりやすいのは確かです。しかし、戸建て賃貸住宅を探すファミリー層はマイカー所有世帯も多く、立地に対する許容範囲が広いです。むしろ、幹線道路沿いで騒がしいほうが敬遠されることもあるでしょう。

また、子どもが小さい家庭には、スーパーなどの大人が利用する施設と併せて、幼稚園、保育園、小中学校が近い、学童保育がある地域の人気が高いです。

土地の広さについても、戸建て賃貸は集合住宅より建築面積(建坪)を必要とせず、15~20坪より狭い土地、いわゆる狭小地でも始められるケースがあります。この点はアパート経営やマンション経営にないメリットです。

入居者対応の労力が小さい

賃貸経営でオーナーが最も苦労するのは、クレーム処理などの入居者対応です。

集合住宅では複数の入居者に対応する必要がありますが、戸建て住宅は単一世帯の対応のみです。そのため、戸建て賃貸は入居者対応にかかる手間や時間は少なく、きれいに使ってくれる、または相性のよい入居者であればずいぶん楽ができます。

また、ファミリー層から需要があるため、以下のようなメリットもあります。

  • ある程度の収入が見込めるため、単身者よりも滞納リスクが少ない
  • 長期入居になりやすいため、空室のリスクも低い

集合住宅と違い部屋ごとに異なるタイミングで修繕が起こらず、修繕計画を立てやすいのも特徴です。

少ない投資で経営できる

投資効率の側面で戸建て賃貸経営を考えてみましょう。

建物にかかる金額は、集合住宅より戸建て住宅のほうが断然少ないのが当然です。投資金額が少ないほど、回収が早くなってリスクは減ります。

また、すでに土地を持っていたり、相続などで建物も持っていたりすると、さらに投資が少ないです。投資金額に対する収益が多く、利回りは自然に高くなります。

土地または建物をすでに所有している方は、戸建て賃貸経営を前向きに検討してよいでしょう。

もし失敗しても売却しやすい

思うような収益を上げられなかったら、売却も視野に入れる必要があります。そのとき、アパート経営やマンション経営(一棟の場合)と、戸建て賃貸経営には決定的な違いがあります。

賃貸用の集合住宅は、主な買主が投資家のため、売却時までの経営実績が悪いとなかなか売れません。一方で、戸建て住宅には賃貸用と居住用の両方からニーズがあり、通常の不動産市場で売買できます。売りに出さなくても、入居者が買い取ってくれる可能性もあります。

失敗時のリスクを考えても、戸建て賃貸の経営は始めやすく、やめやすい不動産投資だといえます。

戸建て賃貸経営のデメリット

戸建て賃貸経営のデメリットには、メリットを受けるうえでの表裏一体となったものもあります。デメリットを重要視するあまり、戸建て賃貸経営をあきらめるのではなく、できるだけリスクを低くすることが重要です。

収益性が低い

一般的に、アパート経営やマンション経営と比べて、戸建て賃貸経営の収益性は低くなります。これは、投資金額が少ない(リスクが小さい)メリットの裏返しです。

賃貸住宅は、基本的に床面積が小さいほど床面積あたりの家賃が高くなります。たとえば、12畳1部屋と6畳2部屋の賃貸を比べたとき、12畳1部屋の家賃が6畳2部屋の家賃の2倍になるわけではありません。

床面積の広い戸建て賃貸は、それだけ床面積あたりの家賃が安くなります。

しかし、その広いという特徴があるからこそ戸建て賃貸の需要が生まれるともいえます。また、投資金額を低く抑えることができれば、相対的に利回りが上がって戸建て賃貸でも収益性を確保できます。

ただし、退去時には外壁や屋根なども含めた住宅全体の点検が必要です。原状回復費用が増えやすく、それも収益性を下げる要因のひとつです。

需要と供給のバランスを読みにくい

戸建て賃貸は、アパートやマンションと比べると市場が小さいです。そのため、地域に賃貸用の戸建て住宅がどのくらいあり、需要がどのくらいあるのか、など実態の把握が難しいです。

市区町村単位のように広域的な統計データは存在しますが、ピンポイントな需要予測には活用できません。

また、自分の目で確認しようとしても、アパートは一見して貸家だとわかりますが、賃貸用の戸建て住宅は一見しても賃貸用なのか判断できません。自分だけで情報を集めるのには限界があるでしょう。

空室リスクが高い

入居者が単一世帯の戸建て賃貸では、家賃収入が満額かゼロしかないため、空室が発生した際のリスクが最大の課題です。

ファミリー層は長期入居が見込めますが、転勤や進学のタイミングなど、退去されてしまう可能性は常にあります。

一方、集合住宅は空室ができたとしても、ほかの部屋に入居者がいれば家賃収入がゼロになることはありません。

集合住宅のようにリスクヘッジができない戸建て賃貸経営では、空室リスクをどうやって軽減するのかが最重要ポイントだといえます。

戸建て賃貸経営を成功させるポイント

戸建て住宅の模型を持つ人

前述したようなデメリットをできるだけ解消して、戸建て賃貸経営を成功させるポイントを紹介します。

投資金額を抑える

収益性の低さをカバーするには、投資金額を抑える必要があります。

ベストは、土地と戸建て住宅の両方を所有している状態です。現在、自分が住んでいる場合でも、家を賃貸に出して、その家賃収入の範囲内で自分はほかの賃貸住宅に住む選択が考えられます。

中古住宅を購入し、必要ならリフォームして貸し出す方法もあります。しかし、土地代が高い地域では、投資が大きくなって利回りを下げる苦しい経営が予想されます。

さらに、何もない状態から土地を購入、建物を新築では、投資に見合わない収益しか得られない可能性が大きいでしょう。

当然ですが、住宅を建てるまでの期間は収益がゼロです。投資分を回収するために家賃設定を高くしても、いくら新築とはいえ購入資金のローン返済よりも高ければ、借りるより自分で建てたほうがよいと入居検討者は考えるでしょう。

戸建て賃貸の需要を見極める

戸建て賃貸の需要は見極めが難しいため、実際の賃貸需要や供給状況に詳しい不動産会社に相談して、情報収集するのが一番です。

自分で調べられるとしたら、不動産のポータルサイトなどで空き物件を探すくらいです。また、転入転出が活発なほど賃貸需要は高いですが、同時に空室リスクも大きいことには注意しましょう。

需要と供給の実態は、やはり業務として関わっている不動産会社がよく知っているといえます。

サブリース方式で経営する

戸建て賃貸で最も経営にダメージを与える空室リスクは、サブリースを利用すれば軽減できます。サブリースとは、戸建て住宅をサブリース会社に貸して、サブリース会社が入居者に転貸する方法です。

サブリース会社への手数料が発生する代わりに、空室状況と関係なく一定の家賃収入を得られるため、無収入の期間がありません。長期間の空室ができることを考えると、結果的にはサブリースのほうが利益は大きくなるかもしれません。

戸建て賃貸経営を始めようか迷っているなら、賃貸需要の情報収集もかねて、実績が豊富なサブリース会社に相談してみることをおすすめします。


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