賃貸管理コラム
一軒家の賃貸に借り手がつかない理由にはどのようなものがあるのでしょうか。下記の3つの理由について紹介します。
一軒家の賃貸では、外観や内装が古いことを理由に、以下のような問題が起こるおそれがあります。
アパートやマンションであれば、外壁補修などのメンテナンスを定期的に行います。しかし一軒家では、内装のリノベーションに力を入れる代わりに、外壁塗装などを行わず、外観が古い状態で募集をかけているケースがあるようです。
物件の第一印象である外観が悪い物件は問い合わせが入らず、内覧につなげられません。
また、内装に関しても、古さが目立つ部分の強化が必要です。一軒家は特に水回りから古さを感じやすいため、以下の内装箇所に注意しましょう。
水回りの強化を怠ると、成約の妨げとなります。
一軒家の賃貸は希少性が高いため、アパートやマンションと比較して家賃相場が高くなる傾向があります。
しかし、高すぎる家賃設定をすると、当然借り手はつきません。競合物件やエリア特性を理解したうえで、家賃設定をすることが大切です。
家賃相場はエリアごとに異なるため、ほかのエリアにある物件で成約している募集条件が自分の物件でも通用するとは限りません。
長期で借り手がつかない場合は、家賃の見直しを検討しましょう。
一軒家の借り手を見つけるにはポータルサイトなどを活用しますが、入稿操作ミスなどが原因で物件情報が表示されないことがあります。アパートやマンションの場合と入稿操作が異なるため注意が必要です。
具体的には、以下のような原因が考えられます。
物件名で「A様邸戸建て」などローマ字表記を入れると、全角入力や半角入力の違いから、物件検索できないことがあります。募集物件名で問い合わせ件数が変わるので、掲載前に慎重に決めましょう。
木材の価格高騰などが原因で、近年は一軒家の新築着工数が減少しています。
参考:国土交通省「(1)新設住宅着工戸数の推移(総戸数、持家系・借家系別)」
そのため、一軒家に住みたいが資金面で購入は難しいといった人などからの賃貸需要が見込めると考えられます。
また、一軒家の賃貸は希少なので、借り手のニーズに合わせた募集ができれば、問い合わせ件数を増やせます。具体的には、以下のような方に需要があります。
一軒家の賃貸需要について詳しく説明します。
一軒家は、ファミリー層の中でも特に以下のような条件に当てはまる方に需要があります。
アパートやマンションなどの集合住宅は、悪意のない生活音でもトラブルに発展するケースがあります。そのため、特に子どもがいる家庭は、子どもが出す生活音が周りの住民に迷惑をかけてしまわないように、一軒家の賃貸を探すことがあるようです。
また、子どもの年齢が高くなると、アパートやマンションでは部屋が足りません。部屋数を確保したい人にも需要が高いといえます。
集合住宅では、以下のような騒音トラブルが起きるおそれがあります。
リスクを回避するために、独立した建物である一軒家を探す人がいるようです。
また、仕事が昼夜逆転している場合や、夜勤がある仕事だと、ドアの開け閉めだけで近隣住民とトラブルに発展するケースもあります。簡単に仕事は変えられないため、生活音を気にせず住める家を探している人にも需要があります。
交通量が多く夜間の車の音が気になる方は、立地面で住宅街にある一軒家を希望するケースがあります。
専用庭がある一軒家限定ですが、家庭菜園やバーベキューなどで専用庭を利用したい方に一軒家は人気です。
専用庭は一軒家ならではの強力なアピールポイントです。専用庭の写真を募集資料でアピールしましょう。
では、借り手がつかない状況はどうすれば解決ができるのでしょうか。
そもそも問い合わせが入らないのであれば、以下のような見直しを行いましょう。
また、問い合わせがあるものの、内覧から成約につながらない場合は、内装の改善と設備の追加を検討しましょう。
外観は物件の第一印象です。築浅の一軒家であれば、外観に手を加える必要はありませんが、古い物件であればリフォームをすることで借り手が見つかる可能性があります。
内装がどれだけ素晴らしくても、外観に問題があると内覧をしてもらえず、成約につながりません。
外壁が古い場合は、外壁の塗装や張り替えを検討しましょう。思い切って家全体の色を変えてみるのもよいでしょう。
外観に問題がない場合は、募集条件を見直してみましょう。
家賃や礼金などの相場はエリアによって異なります。ポータルサイトや競合物件の調査結果を基に、家賃などの条件を決めましょう。
周辺相場を調べる際は、売買物件についても調べるとよいでしょう。物件購入で支払う月々のローンよりも高い家賃で募集をかけても、問い合わせは入りません。
また、子どもが多いファミリー層をターゲットとした場合、転校の兼ね合いで長い期間の入居を借り手は希望します。契約条件が住める期間が決められている定期借家になっていると、希望期間よりも短く、候補から外れてしまう可能性が考えられます。
すぐに物件を取り戻したいなどの理由がなく定期借家にしている場合は、一般借家契約に変更することをおすすめします。
ポータルサイトでは、「戸建て」や「マンション」などで区分に分かれています。
SUUMO区分登録ができていないと、絞り込み検索時に物件が表示されません。ポータルサイトへの登録は慎重に行いましょう。
また、「目黒1丁目戸建て」のように、大まかな所在地がわかる物件名にすると、借り手は希望エリアの物件だと把握ができます。
不動産会社に借り手の募集を任せている場合でも、一度自分の物件を検索してどのように表示されるかを確認しましょう。
内覧をしても成約につながらない場合は、内装や設備に問題があるケースが考えられます。
たとえば、以下のような内装は敬遠される傾向にあるため、リフォームを検討しましょう。
設備に関しては、エアコンが重宝されます。エアコンが設置されていれば購入費用を抑えられるので、入居斡旋につながります。
不動産関係の雑誌などでは「ネット無料」が人気設備と掲載されていますが、あくまでもアパートやマンションが対象です。一軒家では該当しないので注意しましょう。
一軒家の賃貸経営は、借り手が見つかれば長期間住んでもらえる可能性があります。しかし、一世帯のみが入居するため、借り手が見つからずに家賃収入がゼロになるリスクが高いです。
リスクを回避するには、サブリースの利用を検討してみましょう。サブリースとは、サブリース会社に物件を貸し出し、サブリース会社が入居者に転貸する運営方式です。
サブリース会社への手数料があるため、管理会社へ業務を委託する場合よりも満室時の家賃収入は下がりますが、空室期間中も安定した家賃収入を受け取れるメリットがあります。
そのため、物件の空室が長期化して困っている場合や、安定した収入を望んでいる場合は、サブリース会社に相談してみましょう。
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