賃貸管理コラム

入居トラブルで最も深刻な家賃滞納とそのリスク対策について

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入居トラブルで最も深刻な家賃滞納_1
不動産投資におけるリスクはいくつかありますが、入居トラブルもその一つです。
入居トラブルには、騒音等による入居者同士のトラブルもありますが、部屋の使い方等を巡ってオーナーと入居者がトラブルに発展するケースもあります。

そんなオーナーと入居者間のトラブルで最も深刻なのが家賃の滞納です。
家賃滞納は、不動産投資における代表的なリスクであり、空室リスクより深刻であると言う投資家もいます。
家賃滞納のリスク、またその対策について知らないと大きなトラブルに発展し、多大な損失を受ける可能性もあります。

そこで今回は、不動産投資における入居トラブルで最も深刻な家賃滞納をテーマに解説します。
すでに不動産投資家である人もこれからスタートする人も必ず参考になるため、是非読んで頭に入れておくと良いでしょう。

そもそも家賃滞納ってそんな多いの?

コラムイメージ1 意外と思われるかもしれませんが、家賃の滞納は、賃貸経営をしていると高確率で経験するリスクです。
もちろん、家賃を通常通りに支払う入居者がほとんどですが、一般的には、2%から3%の入居者が家賃を遅滞すると言われています。
これは、単なる振り込み忘れ等のすぐに解決するような滞納ではなく、ある程度の期間に渡って滞納してしまうケースです。

少ないと感じるかもしれませんが、規模を拡大する程、滞納リスクは上がるため、将来的に100世帯以上を所有するようなメガ大家を目指したい人は、必ず意識するべきリスクです。
現在は、コロナウイルスによって収入が激減している世帯も多いので、家賃滞納リスクは、確実に上がっています。
コロナウイルスの影響は、かなり特殊でありイレギュラーなケースですが、今後はそのようなイレギュラーな事態にも備えておく必要があります。

家賃滞納のリスクって?

コラムイメージ2 「家賃滞納があってもすぐに取り立てれば問題ないのでは?」、「滞納した時点で出て行ってもらえば大丈夫」等、家賃滞納のリスクをあまく見ている投資家は意外と多いです。
家賃滞納のリスクは、そこまで単純なものではなく、実際に起こると解決するまでに時間も費用も労力もかかる大変なものです。
ここでは、家賃滞納におけるリスクについて解説するので、家賃滞納に大きなリスクを感じていない人は、特に理解を深めてください。

家賃滞納があってもすぐに退去となるわけではない 「家賃を滞納した時点で出て行ってもらえば良いのでは?」と考える人も多いですが、家賃を滞納した入居者がいたとしてすぐに退去を要請出来るかというとそうでもありません。
日本では、借地借家法という法律があり、投資家であるオーナー側と比較して入居者にあたる賃借人は強く保護されています。
具体的な実務に落とし込むと立ち退きを要請するには最低3カ月以上の滞納歴が必要となります。
また、3カ月の滞納があった時点で退去要請が出来るかというとそうでもありません。
退去を要請するには、裁判所に訴訟を提起する必要があり、強制退去にまで発展した場合、はじめての滞納があってから退去まで1年近くかかるというケースも珍しくありません。
滞納というと「入居者の責任でありオーナー側が損をするなんて考えられない」と思っている人も多いですが、実務の中ではそうではないということを頭に置いておきましょう。

退去要請は時間も費用もかかる 先述しましたが、家賃滞納をしている入居者を退去させるのは、簡単なことではありません。
多くの場合は、オーナー側が時間と費用、労力をかけて解決させていくケースがほとんどです。
退去要請は、時間だけでなく多くの費用もかかります。
裁判所に支払う訴訟費用や強制執行費用だけでもそれぞれ30万円から40万円前後が必要になり、それだけでも大きな損害と言えます。
さらに、振り込まれない家賃分が課税対象になった場合、その分の所得税や住民税も負担する必要があります。
具体的な金額に直すと、賃料によりますが、総額で100万円を超える損害になることも珍しくありません。
よって、不動産投資家の中で家賃滞納は、単に家賃が入ってこない空室よりも怖いリスクと言われています。

最悪の場合、夜逃げのリスクも あり得ない話と思う人もいますが、家賃滞納した挙句、夜逃げに合うケースも実際に存在します。
「この時代に夜逃げなんて」と思うかもしれませんが、飲食店のテナントや居住用の物件等でも実際に起こることがあります。
夜逃げに合うと警察に被害届を出しますが、加害者を見つけ出してお金を支払わせるのは、かなり大変です。
強制退去よりはある意味良いのかもしれませんが、不動産投資を行う限り、夜逃げリスクも頭に入れておくと良いでしょう。

事前に必ずチェック!家賃滞納の防止策とは?

コラムイメージ3 家賃滞納は、起きてからより起きないように防止策を取るのが一番です。
ここでは、賃貸経営において必ず事前にチェックして欲しい家賃滞納の防止策について紹介します。

家賃回収サービスがある管理会社を選ぶ 物件管理を委託する管理会社を選ぶ際には、必ず家賃回収までサービスとしてついている管理会社を選びましょう。
家賃回収サービスがある管理会社は、家賃の保証会社と連携することでサービスを提供しているため、オーナー側が家賃を回収できないというリスクは無くなります。
仮に家賃滞納が発生してもリスクは保証会社が負う形となるため、オーナー側は安心です。
最近では、家賃保証会社を通すことで連帯保証人なしで入居が出来るケースも多いので、入居者に対してもメリットがあります。

入居審査を厳しくする 家賃滞納を防ぐのであればある程度は、入居審査を厳しくすることも必要です。
特に相場よりも低価格帯の賃貸物件の場合、入居審査を緩くし過ぎると滞納リスクにつながるケースが多くあります。
入居審査のレベルは、管理会社を通してオーナー側の意向を反映することが出来るため、あまりに審査が緩いと感じる際には、是正してもらうことをおすすめします。
この際、あまりに審査を厳格にし過ぎると入居付けに影響するため、管理会社と相談しながら決めていくと良いでしょう。

入居者とコミュニケーションを取る 管理を委託すると、投資家であるオーナー側と入居者が接する機会はほとんどありませんが、入居者とコミュニケーションを取ることも滞納リスクを防ぐには有効です。
管理委託をしているケースでは、頻繁に入居者と接する機会を持つ必要はありませんが、入居時の挨拶や年一回の挨拶などは、関係性を構築する上でも効果的です。
入居者も人間ですので、人によっては顔を合わせたことがあるオーナーであれば、多少家計が厳しくても家賃の支払いに協力してくれる可能性もあります。

まとめ

コラムイメージ4 今回は、不動産投資における家賃滞納リスクについて解説しました。
家賃滞納は、長期的に賃貸経営を続けていくと高い確率で遭遇するリスクです。また、大きなトラブルに発展するケースも多く、オーナー側が多大な損害を受けてしまうケースも少なくありません。

不動産投資には、様々なリスクがありますが、その中でも家賃滞納は、事前の防止策によってある程度回避することが可能なリスクです。
防止策を講じるためには事前知識が必要となるため、今回の内容を参考に、効果的な対策を取るように意識しましょう。

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