入居者の立場に立ってみると、空室である理由が見えてくることがあります。
自分が入居する側になって部屋を探すと考えてみましょう。仮に住みたいエリアに2つの似たような物件があったらどのように選ぶでしょうか。同じような広さで築年数、日当たりもほぼ同じ、内装も問題ない物件であれば、家賃が安い物件を選ぶのではないでしょうか。
賃貸物件の数はエリアによっては供給過多であるところもあり、空室物件も珍しくはありません。入居者から選んでもらう物件にするためには、まずは適正な家賃の見直しを行うとよいでしょう。
ただ、家賃を下げればよい、ではなく近隣の物件の家賃相場をしっかり調査した上で家賃の見直しを行うことがポイントです。相場以上の大幅な賃料の値引きは賃料収入に跳ね返ってきますから、慎重に検討しましょう。家賃の見直しをして、それでも入居希望者が現れないのであれば、不動産管理会社や仲介会社の募集方法になんらかの問題があるという原因も考えられます。
家賃も見直し、管理会社や仲介会社に頻繁に連絡したり、足を運んだりして、しっかり募集活動を行っているかチェックしたものの、それでも空室は埋まらない、そんなときもあります。
エリアによっては入学、入社の時期の一定期間が集中繁忙期となることもあります。そういった機会を逃さないよう、早めに手を打っていきたいところです。
大家さんが空室対策を考えるときは、まず自分の所有する物件を正確に把握することが大切です。
所有物件の間取りは一人暮らし向けでしょうか、それともファミリータイプでしょうか。女性がターゲットの場合にはお風呂やキッチンの水回りの清潔さはとても大切ですし、年配の夫婦向け物件であれば和室が好まれることもあります。
入居者の年齢層や家族構成によって希望している設備や内装の好みも違います。自分の世代と違う人をターゲットとした物件であれば、多少視点を変える必要があります。場合によってはリフォームや設備の変更の出費もやむを得ないこともあるでしょう。
大家さんにとって、空室はできれば避けたいものです。適正な家賃、入居者が好む設備や内装、管理会社や仲介会社との関係、まずはこの3つのポイントに注目して行動を起こしてみましょう。空室が続くと気持ちが焦ってしまいますが、落ち着いて着実に対策をたてることが大切です。